悪質なカスタマーハラスメント(カスハラ)によって、人気店だった水戸市にある中華そば「いっけんめ」茨大店は23年7月、閉店を余儀なくされた。
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店主(51)は、「人命や安全が最優先だと考えた」と当時を振り返る。
2年前に、注文をめぐり男性客とトラブルになった。
腹いせに男性は、卓上の調味料やつまようじ約500本をすべてラーメンの中に入れてしまったり、椅子を蹴飛ばしたりする迷惑行為に及んだ。
さらにその後、男性が店に「殺す」など、脅迫めいた内容の電話を頻繁にかけてくるようになった。
店主は、従業員に危害が及ぶ恐れがあると考えて同店の閉店を決断したが、その後も本店に対して男性からの同様の嫌がらせの電話が続いた。
店主は証拠の映像を警察に持参するなどして、捜査するよう何度も訴えたという。
結果、男性は脅迫罪に問われ、今年1月には水戸簡裁から男性に対して罰金10万円の略式命令が出た。(富永鈴香)